グラスに満ちる、酒への愛
モルト好きが足繁く通う名店

オーナーバーテンダーの谷嶋元宏氏が店をオープンしたのは平成10年(1998)。それまでは大手化粧品会社で研究職に就いていた。
「バーは大人の学びの場。社会人になって、名店といわれるバーに通ううようになりました」
いつかはバーをやりたいと考えていたが、30歳を前に退職。

料亭が多い神楽坂では当時、バー自体があまりなかった。開店すると「やっと神楽坂にもバーらしいバーができた」と喜ばれたという。
ウイスキー文化研究所の立ち上げに携わったこともあり、店にはウイスキーを多く揃える。かつてはスコットランドにも足を運んだ谷嶋氏が目利きした、バラエティに富んだモルトがゆっくりと愉しめるとあって、愛好者が足繁く通う。
現在は世界の酒が手に入る日本ならではの魅力を伝える「酒育の会」も主宰しており、正統派ながら初心者でも気軽に酒を嗜める、そんな雰囲気があるのだ。散歩がてら寄るのもよい。

写真/池本 史彦