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古き良きアメリカ西海岸の匂いが漂う

アメリカ・西海岸で買い付けてきた、1940~60年代の家具、小物、古着を扱う。当時、ハワイへの遊覧船がカリフォルニアから出ていたこともあり、南国の雰囲気をまとったオブジェなどが揃うのも、この時代のテイストである。
関東大震災以前から建つ木造一軒家をリノベーションした店の前には、なんと新鮮な湘南野菜が売られている。実はこれら、オーナー・東卓哉さんが育てたもの。というのも、ヴィンテージアイテムを単に販売するだけでなく、衣食住にわたるライフスタイルの提案を自身のテーマとしているためである。

東さんは、かねてから興味のあった野菜作りに本格的に取り組もうと、2010年に東京・目黒から神奈川県藤沢市へ移住した。270坪もの畑で自ら湘南野菜を有機栽培で育て、販売も手がけている。最盛期には近隣の生産者たちが育てたものを含め、50種もの野菜が揃う。
店舗で西海岸50’Sに絞った衣・住のアイテムを扱う一方で、食にも力を入れ、一つのスタイルを打ち出している。ホームページでは、古いアメリカの食器に盛り付けた料理のレシピも紹介している。

「デザインや色合いが優れていて、一見無駄と思えるような作りでも実はちゃんと計算があったりする。遊び心があるんです」。東さんは、50年代のアメリカの家具や小物についてそう話す。一つひとつが一点もので、同じものがないのもいい所だ。

自身の好きなものを追求していってたどり着いた現在の形。この東さんの提案は、結果、新しい客層を呼び込むこととなった。野菜を買い求めに来た主婦が、50年代のアイテムに興味を持つようになり、逆に従来からのお客が健康的な食に興味を広げるように。いまや、より広い門戸を広げることに成功している。

※2013年取材
文/沼 由美子 写真/佐藤佳穂
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