時季ごとに彩りと味が変化する料理の真髄を追求した料理屋

京都の中心部を東西に貫く五条通から、一本外れた路地に佇む「はり清」。創業は万治2年(1659)。元は、清水寺などを訪れる客のための茶店だった。当主の播磨屋清七の名から「播清(はり清)」という屋号を掲げ、以来360年にわたり京料理の腕を磨き続けてきた歴史の深い店だ。

人気のお昼ご飯は、懐石料理7品が味わえる昼餐膳。なかでも、十三代目主人の森本知行さんのお勧めの品は、椀物と八寸だという。
「夏の時季の椀物は、牡丹鱧を鰹と昆布で取った出汁で仕立てています。八寸のメインは、若鮎の塩焼き。仕上げにオリーブオイルを吹き付けてヘルシーにしています。賀茂ナスを炊き合わせてから田楽みそをかけた、油を使わないナス田楽もお客様から評判です」
“美味求真”のモットーに忠実に、“進化する京料理”が味わえる古都の香り漂う名店である。