
ランニング時はマスク着用が新マナー?
自宅の近所でランニングすることが日課になっている人は、毎日のジョギング時間を早朝や夜間に切り替えたり、人の少ない時間を選ぶなど工夫していることだろう。
でも全く人とすれ違うことなくランニングを終えることは難しい。「買い物などの外出時はマスクをきちんと着用している」という人も、ランニング時は「息苦しい」「暑い」といった理由で、マスクなしで外に出てしまう人もまだいるのではないだろうか。
でも世間の目はなかなか厳しい。運動不足を解消するために家族や子どもと散歩に出かけたい人もいる。3密を避け、人の少ない時間帯を選んで外へ出たのに、前方からマスクをしないで走るランナーが、大きく息を吐きながら近づいてきたらどんな気分になるだろう?
ランナーはランニング中の呼吸方法に気配りを

ランナーの新型コロナウイルス感染防止対策として、京都大の山中伸弥教授が発信した情報が大きな注目を集めているが、それによると、走っているランナーが大きく呼吸するときは、咳やくしゃみをするときと同様の配慮が望ましいという。
ランニング中のランナーの呼吸は、通常時よりも大きく荒い呼吸になるため、ソーシャルディスタンスとして保ちたい距離も広がる。自分では十分な距離があると思っていても、人からみると「常識のない人」と思われてしまい、感染拡大のリスクも高めてしまう。
これからのランニングは、これまでのランニングとは違う。そう意識して、きちんとマスクで対策する心がけをしていこう。
ランニング時にもマスクを携帯しよう

ランニングウェアに身を包み、ストレッチをして、マスクも着けて、いざ出発―。だが、実際にマスクを着用してランニングをはじめた人の声を聞くと、「息苦しい」「暑い」という声はやはり多い。
走ることで大量の汗をかき、マスクが水分を吸収すると、通気性に影響がでてしまう。せっかくの運動なのに、マスクが顔にはりついて息ができないほど息苦しさを感じてしまうとまるで意味がない。
エチケットを意識しているランナーによると、周囲に人がいないことを確認できる時には通常どおりで走り、人がいる時はさっとマスクを着用して上手にON・OFFを切り替えているという。
人がいないところでも、マスクを耳にかけたまま、あごや首元にスライドさせて着用の準備をしておくと、人を見かけた時にもサッと口元を覆うことができそうだ。
息苦しくない!ランニングに最適なマスク
先述の山中教授の情報によると、ランニング時に着用しても息苦しさを感じにくいアイテムがあるという。
それがバフ(BUFF)と呼ばれる、チューブ形状の布アイテムだ。
バフ(BUFF)ってマスクなの?

バフとは、ネックウォーマーのような筒型形状の布アイテム。厳密には、BUFFはスペイン発のアウトドアメーカーのブランド名称で、バフとして紹介される商品は、同社の多機能チューブを指す。
BUFFの機能・特徴
BUFFの多機能チューブは、同ブランドの創業者がバイク走行時に着用するためにデザインしたのがはじまりで、縫い目のないチューブ型のネックウェアであることが特徴。肌に直接あてるものだから、長時間着用してもストレスがないように工夫が施されている。
通年で使用できるアイテムは、汗を蒸発させて素早く発散させるため爽快感が持続する。UPF50のUFカット機能が紫外線から肌を守り、ランナーやアウトドアスポーツを楽しむ人の間では、信頼できるアイテムとして安定した人気を誇っている。
首周りで使う以外にも、バンダナやキャップ、ヘッドバンドとして頭に着用したり、ネッカチーフやフェイスガード、フェイスマスクとしての利用も想定しているため、ランニング時にマスクの代わりに使うのにぴったりだ。
BUFFとネックゲイター、ネックチューブの違い

BUFFの多機能チューブは、ほかのアウトドアブランドのネックウォーマー、ネックゲイター(neck gaiter)、ネックチューブと形状がよく似ている。機能に違いはあるのだろうか?
ネックゲイターは、ジョギングやサイクリングなどアウトドアでの活動で、首周りをプロテクトするためのアイテム。ネックウォーマーは主に冬の防寒対策として使われるが、ネックゲイターは通年使えるアイテムとして、夏用・冬用に特化した製品がある。
冬用は、首を寒さから守る温かい素材でありながら、汗の発散機能を重視した素材が多く、夏用は、夏の強い日差しから肌を守るUVカットや冷感機能などで首周りをプロテクトしてくれる。
夏用・冬用のどちらも首周りを十分に覆えるだけでなく、布を口元や耳・鼻あたりまで包み込むことができるため、ネックゲイターもマスクの代わりに使うことができそうだ。

バフ/ネックゲイターはどこで買える?
ネックゲイターは、BUFFのアイテムであれば、日本の公式サイトを手掛けるゼットのホームページからアイテムを選ぶことができる。
機能性、形状はそのままに、幅広いデザインがあるので、豊富なコレクションから好みのバフが見つかるだろう。「京都(KYOTO)」や「富士山(FUJI)」といった日本オリジナルの美しいデザインもあるので、外国の友人や両親、大切な人へのプレゼントにも最適だ。

BUFF以外にも、各アウトドアブランドが販売する多機能チューブは豊富にある。ネックゲイターやネックチューブなどの名前で展開されていて、いずれも繰り返し洗える布素材のマスクとして代用できるので、毎日のランニング用に、予備や洗い替え用をいくつか持っておいてもいいだろう。
コロナ時代のランニング新エチケット

「マスクなしでランニングする人は迷惑」。残念だが、今の日本ではマスクを着用しないランナーはそんな気持ちで見られる機会が増えている。とはいえ、走り始めから終わりまで、BUFFやネックゲイターを常時着けて走るとなると、本来のジョギングの目的を果たすことが難しい。
ランナーがコロナウイルスの感染拡大を防ぎながら、快適にランニング習慣を続けるために、実践したいエチケット・マナーは下記のとおり。それほど難易度は高くないので、今日からぜひ実践してほしい。
人の多い時間・場所を避ける

すでに多くのランナーが実践しているように、多くの人が外出する時間や場所を避けることはステイホーム期間のランニングの第一ポイント。
ステイホームやテレワークの普及で、かえって以前より人が増えたという地域もあるので、自宅の近所で混雑しやすい時間や場所は避けて走るよう、事前にジョギングコースの確認をしておこう。
人とすれ違う時はスピード・間隔を調整する
コースに気をつけていても、全く人に会わずにランニングすることは難しい。人とすれ違うことが避けられない場合は、走る速度を落とすことでスピードを調整し、接触してしまうリスクをとっさに回避できるようにしよう。
マスクの脱着をスムーズにする
坂道などランニングコースのコンディションにもよるが、ずっとマスクを着用したまま長距離を走るのは困難だ。人がいない場所ではマスクを外して呼吸を整え、またすぐに着用できるように上手にメリハリをつけて走るようにしよう。
外したマスクをいちいちポケットに入れていると脱着が遅くなるので、バフやネックゲイターなど、使わない時は首元でたるませておけるアイテムをマスクの代わりに身に着けよう。
挨拶・会釈を心がける

マスクを着用していると、顔の半分が覆い隠されてしまうので若干怪しさが増してしまう。

おしゃれなバフやネックゲイターも残念ながら同様の印象を与えてしまうことがあるため、余裕がある時は短い挨拶や会釈などですれ違う人とコミュニケーションを取ってみよう。相手も挨拶を返してくれると、気持ちのいい一日になりそうだ。
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