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葉巻とラムを味わうことはひとつの事件だ
ラムの名産地・キューバは、世界最高の誉れ高いシガーの産地でもある。夢見心地にしてくれるそのアロマは、多くの愛煙家を虜にしてきた。アメリカのケネディ大統領は、キューバへの経済封鎖を発令する前に、ハバナ産の葉巻ブランド「H・アップマン」を大量に買い込んだ。敵対国の大統領をも魅了したわけだ。

そんなハバナシガーはラムとの相性が抜群にいい。現地を訪れると、男女を問わず大人たちはラムを飲み、シガーを嗜んでいる。食後はもちろん、食事中に葉巻をくゆらせもする。喉の奥に残った肉の脂のコクに紫煙の甘みが重なる瞬間は、キューバ人の生きる悦びそのものだ。
決して経済的に豊かとは言えないのに、彼らに接するとその生命力の強さに圧倒される。それは、音楽やダンス、そしてラムや葉巻といった、人生を力強く生き抜くための悦びを得ているからに違いない。

このように、キューバの日常に深く浸透しているラムとシガーだが、その生い立ちは正反対だ。約500年前から南北アメリカにおいて、タバコ葉は宗教儀式で嗜まれていた。それを発見したヨーロッパ人は、あのコロンブス。
1429年、キューバにたどり着いた彼らは、タバコ葉を巻いたものの先端に火をつけ、煙を吸う原住民・タイノ族の姿を目の当たりにする。この習慣がヨーロッパへ持ち帰られ、やがて上流階級の間にパイプやシガーが広がって行く。

一方、ラムの原料であるサトウキビはキューバに自生しておらず、コロンブスが2回目の航海時に、砂糖を作る目的で持ち込んだものだ。それが今ではキューバの名産品となり、現地の人々の日常生活に溶け込んでいる。歴史の妙と言うほかない。
ダビドフを呼び戻したチェ・ゲバラの進言
ヨーロッパやアメリカでの喫煙の普及とともに、キューバの葉巻産業も発展していくが、大きな変化を与えたのが1953年から始まったキューバ革命だ。カストロによる国有化を嫌い、有名シガーブランド「ダビドフ」はキューバから脱出してしまう。
カストロは約900種あったシガーのブランドを4種まで減らした。しかし、チェ・ゲバラがタバコ産業の重要性を説き、その後、ダビドフを率いるジノ・ダビドフは再びキューバへと招かれた。それからの約10年間、彼はハバナシガー再興に尽力する。そして現在、ブランド数は約300種となり、かつての名声を取り戻したのだ。

ジノ・ダビドフは「葉巻を味わうことは一つの出来事であり、くつろぎ、そして楽しみと期待のひとときでなければならない」と述べている。
紫煙をくゆらせた後、ラムを口に含む。すると甘い香りと、ラムの甘みが絶妙なハーモニーを奏でる。シガー1本で1時間は愉しめるが、その間、変化するシガーの味わいに合わせ、数種類のラムをマリアージュする人もいる。そんな至福のひとときが、明日への力を授けてくれるに違いない。

取材協力/中山篤志(Bar Lamp) 文/浅川俊文 写真/古末拓也
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