ラム酒についてどれくらい知っているだろうか?「ラム酒はたまに飲むけどよくわからない」という方もきっといるはずだ。
ラム酒はカクテルや料理の風味づけにもよく使われる、度数の高い酒だ。カリブ発祥ということから「海賊」や「海の男」といった荒々しい印象が持たれがちだが、そんなイメージとは裏腹に、ラム酒はサトウキビから造られる、甘い風味が特徴的な酒である。
ラム酒には様々な製法があり、味わいも異なる。そこで今回は、ラム酒の基礎知識や飲み方、おすすめ銘柄を詳しく解説する。
最後まで読めば、本記事を通してラム酒について深く理解できるはずだ。ぜひ自分好みのラム酒を見つけてみよう。
ラム酒とは?世界4大スピリッツを知る
まずはラム酒の基礎知識を解説する。ラム酒の原料や歴史、世界4大スピリッツについて詳しく見ていこう。
ラム酒の原料
ラム酒は、サトウキビの廃糖蜜あるいはしぼり汁を原料とする蒸留酒である。西インド諸島が原産地だと言われており、製造方法により色や味わいが異なるものの、甘い風味と柔らかい口当たりが特徴的だ。
アルコール飲料としてはもちろん、ケーキやタルトといったお菓子の風味づけ、レーズンを漬け込んだ「ラムレーズン」など、幅広く用いられている。また、カクテルのベースとなることも多く、特に熟成期間が短いホワイト・ラムは、クセが少なく、初心者でも飲みやすい。
世界4大スピリッツとは
ラム酒は、ウォッカ、ジン、テキーラと共に世界4大スピリッツのひとつに数えられる。スピリッツとは蒸留酒のこと。主にカクテルのベースとして親しまれているが、ロックやストレートでも楽しむことができるものである。以下、それぞれの特徴を簡単に解説する。
ウォッカ
ロシア発祥の蒸留酒で、主原料は大麦・ライ麦・ジャガイモ・トウモロコシなどだが、原産国によってはブドウやミルクから抽出した乳糖を使ったものも存在する。アルコール度数は40度が主流。すっきりとしたクリアで辛口な味わいが特徴で、ショットで楽しむストレートが定番の飲み方。
ウォッカについて詳しく知りたい人は、下記の記事をあわせて読んでほしい。
ジン
原料は、とうもろこしや大麦、ライ麦。セイヨウネズの果実を乾燥させたジュニパーベリーなど、ボタニカルで香りづけされる。華やかな風味とクリアな味わいが特徴。近年では、個性的な味わいの「クラフトジン」が注目されている。
ジンについての詳しい内容は、下記の記事で紹介している。
テキーラ
原産地はメキシコ。アガベの一種である竜舌蘭(りゅうぜつらん)が主原料である。一般的なアルコール度数は40度以上と、お酒の中ではかなりアルコールが強い部類。度数が高い分カロリーも高めだが、糖質はほぼゼロ。糖質制限中でも楽しめるお酒のひとつだ。
種類による違いや気になるカロリーや糖質などの数値は、下記の記事で詳しく解説している。
スピリッツ全般について知りたい人は、以下の記事を読んでほしい。リキュールとの違いや美味しい飲み方、カクテルの作り方も紹介している。
ラム酒の歴史
ラムの発祥について詳細は不明だが、遅くとも17世紀には飲用されていたと考えられている。発祥地はカリブ海のどこかの島だ。しかし、意外にもラム酒の原料であるサトウキビはカリブ海の島には自生しておらず、1492年、コロンブスによる新大陸発見以降ヨーロッパ人によって持ち込まれたものである。カリブ諸島はサトウキビに適した気候であったため、一大生産地となった。
ラム酒といえば「海賊」の印象が強いが、事実、海賊に愛飲されていたという記録が残されている。だが、海賊だけに飲まれていたわけではなく、15世紀から17世紀の現地の人々にとって身近な飲み物であった。
また、嗜好品として以外の用途でも、たとえば過酷な環境で生きる船員たちから向精神薬のような働きを期待され、飲まれる場面もあった。保存がきくという利点から航海中の飲み物としても親しまれていたという。こうした背景から、次第にラム酒には海・海の男というイメージが強くなり、現在に続いている。
ラム酒(Rum)の語源
「ラム」という名前の由来については諸説あり、はっきりとはわかっていない。英語のデボンシャー方言にあるrumbullion(ランバリオン:興奮)が元だとする説が有力である。
カリブの島のひとつ、バルバドス島の原住民が蒸留酒を飲んで騒いでいる様子をイギリス人がランバリオンと表現したという話だ。他にもサトウキビの属名Saccharumの語尾から来ているとする説もある。
ラム酒のアルコール度数
糖蜜を発酵・蒸留して造られるラム酒は蒸留酒に分類される。完成直後は70〜80度と非常に高い度数になるが、加水によって40〜50度に調整され出荷されるものが多い。
ラム酒のカロリー・糖質は高いのか
酒のカロリーはアルコール度数に比例する。甘さと芳醇な香りが魅力のラム酒は、度数が高い蒸留酒であるため、ビールやワインといった醸造酒と比べるとカロリーは高め。
しかし、ウイスキーやウォッカと同じく糖質がないため、実際に飲むときはビールやワインよりも低カロリーに抑えられることもある。これは、製造の際に蒸留することで糖質が抜けるため、糖質は通常100gあたりわずか0.1mg以下。糖質制限などのダイエット中に「酒が飲みたい」と思ったときは、ラム酒を選ぶといいだろう。
カロリーを抑えたラム酒の飲み方についてより詳しく知りたい人は、以下の記事を合わせて読んでみてほしい。
醸造原料による製法の違い
ラム酒の製造にはサトウキビのしぼり汁を使用する。しぼり汁からゴミや不純物を取り除いた「糖蜜」と、砂糖を生成したあとに残った「廃糖蜜」から造る方法の二通りがある。
どちらの場合でも大きな造り方は変わらず、発酵、蒸留の工程で造られる。
インダストリアル製法
廃蜜糖から造る方法で、トラディショナル製法とも呼ばれる。割合にすると市場に流通している97~98%のラム酒はこの製法で造られている。
廃蜜糖は保存しておくことができるため、サトウキビの収穫時期に左右されずに製造ができるというメリットがある。また、廃蜜糖は輸出入しやすいという利点がある。
そのため原料のサトウキビが育たない地域でも、廃蜜糖を輸入すればラム酒を造ることができる。「インダストリアル」という名が示すように、大量生産に向いた製法である。
アグリコール製法
サトウキビのしぼり汁をそのまま使用する、インダストリアル製法に比べると新しい製法である。この製法の場合は、サトウキビの収穫時期でないと製造できないといった点や、サトウキビは収穫するとすぐに風味が落ち始めてしまうため、収穫地の近くでしか造れないという不便さがある。
そのためマイナーではあるが、この製法でしか得られない豊かな風味や、深い甘みが魅力となる。
また、原料生産地のすぐそばで造られるぶん、土地による味の個性がはっきりと出やすいという特徴がある。この製法で造られたラム酒は希少性と味わいの奥深さ、多様さから通好みのラム酒といえる。
色と製造方法で異なるラム酒の呼び名
ラム酒は透明のものから暗褐色のものまで、色によって分類されることがある。
ラム酒の色
色による分類は3種類。ひとつ目はホワイト・ラムだ。発酵、蒸留後、ステンレスタンクで熟成を経た原酒を、活性炭でろ過する。ステンレスタンクを使用することと、ろ過により、無色透明な液色となる。ろ過することで雑味とともに香味成分が減少しクセのない味となるため、カクテルベースや料理の風味づけとして使用されることが多い。
ふたつ目はゴールド・ラム。アンバー・ラムとも呼ばれる。黄金色〜薄い褐色をしており、木の大樽やバーボン樽で熟成した原酒を、ろ過せずそのまま瓶詰めしたものである。樽熟成の期間は3年未満。原酒のもつ風味がそのまま残っており、ホワイト・ラムに比べると原料や樽由来の風味が感じられる。カラメル色素が添加されているものもある。
最後は褐色のダーク・ラムだ。原酒をバーボン樽や内側を焦がした樽(チャード・オーク)などで3年以上熟成させる。樽と長い熟成期間により、糖蜜に加えキャラメルやスパイスなど風味の強さが特徴的で、製菓に利用されることもある。
ラム酒の製造方法
原料、発酵・蒸留・熟成方法によりライトラム、ミデイアムラム、ヘビーラムの3つに分けられる。
ライトラムは、廃糖蜜と水を混ぜたものを原料とし、培養酵母で発酵させ、連続式蒸留器で蒸留したものだ。熟成にはホワイトオーク樽や、ステンレスタンクが使用される。こうして出来上がった液体を活性炭でろ過するとホワイト・ラムに、活性炭を使わなければゴールド・ラムとなる。口当たりが軽く、味や香りも控えめに仕上がる。
ミディアムラムは廃糖蜜を自然発酵させたものを原料とする。蒸留には連続式蒸留器・単式蒸留器のどちらを使っているものもある。発酵を終えた段階で、サトウキビの搾りかすを加えたり前回蒸留した液体を加えることがある。またライトラム、ヘビーラムを混ぜて造るという方法もある。
この製法からもわかるように、味わいとしては両方の特徴を備えている。ライトラムほど淡白ではなく、ヘビーラムほど濃厚ではない、ほどよい香りと味わいを楽しめる。バランスがよく、口当たりがソフトだ。
ヘビーラムもミディアムラムと同様に、廃糖蜜を自然発酵させたものが原料となる。蒸留には単式蒸留器が使われ、蒸留前にサトウキビの残滓や、前回蒸留の残りを加えることがある。蒸留後は内側を焦がしたオーク樽やバーボン樽で熟成される。熟成には最低3年以上が必要である。
長期の樽熟成により、多くの香味成分が含まれるため、風味豊かな濃い褐色のラムとなる。より深い色をつけるためにカラメル色素などが使われることもある。
ラム酒は飲み方によって味わいや香りが変化する
工夫せず飲んでも風味豊かなラム酒だが、せっかくであれば、よりおいしく感じる飲み方を試してみよう。
温度によって変わる味と香り
ラム酒の甘い香りと風味は、その温度によって感じ方が変化する。また、製法や色によっても適した温度は異なる。
たとえば、ホワイト・ラム、ライトラムは、香味成分の含有量が少なく、軽い味わいを目指して造られている。そのため、氷を入れ冷やして飲むのがおすすめだ。ラムは40度以上の度数である場合が多く、氷で味が薄まるのを避けたい場合は、瓶ごと冷凍庫に入れることができる。家庭用の通常のものであれば凍ってしまうことはない。
一般的に温度が上がると香りや味が感じられやすくなる。ラム酒も同様だ。常温、ストレートで飲んだ場合は、冷やして飲むときよりも香りを感じやすくなるだろう。ゴールド・ラム、ミディアムラム、ダーク・ラム、ヘビーラムなどは冷やして飲むよりも常温の方がその特徴をとらえやすい。
寒い時期にはホットで飲むのもいいだろう。温めることで香りや甘みを引き立たせることができる。そのままレンジや鍋で温めてもいいし、お湯で割ったり、紅茶やミルクで割ったりしても飲みやすい。シナモンやナツメグ、バターを加えるのも風味が増すのでおすすめだ。
ブランデーグラスで味わいを豊かに
ラム酒に適したグラスとして、ブランデーグラスがある。ブランデーグラスは、ボウルの部分が広く、飲み口がすぼまっていて、足の短いワイングラスのような形をしている。
この広いボウル部分に空気をたくさん含ませることができ、香りがさらに開かれることから、香り豊かなラム酒に適したグラスと考えられている。特に香味成分豊かなダーク・ラム、ヘビーラムを飲む際にはぜひ試してほしい。
ラム酒の美味しい飲み方|ショット・ストレート・ロック
続いて、ラム酒の美味しい飲み方を詳しく解説する。飲み方によって味わいや香りが変化するため、ぜひ1つずつチェックしてみてほしい。
ショット
ラム酒の香りと後味を楽しみたい方には、ショットがおすすめだ。ショットグラスにラム酒を注ぎ、クイッと一気に飲み干す楽しみ方だ。パーティーやフェスなど、大勢でお酒を楽しむ際にも推奨される。
ストレート
ストレートであれば、ラム酒本来の味わいと香りを存分に楽しめる。飲む前にグラスを冷やしておけば、常温よりも多少飲みやすくなる。とはいえ、ショットに比べて注ぐ量が多いため、お酒が弱い方にはあまりおすすめできない。
ロック
味の変化を楽しみたい方にはロックをおすすめする。グラスに氷を入れることで、長時間じっくりと楽しむことができる。
ストレートのようにラム酒本来の風味を感じられる一方、アルコール感が弱まり飲みやすくもなる。時間が経つにつれて氷が溶け、ラム酒の甘みが増してくるのも特徴。
ソーダ割り
炭酸水とラムを合わせて飲むソーダ割り。炭酸のシュワシュワがラム酒の風味と合わさり、さっぱりとした味わいになる。
また、アルコール感が薄まり飲みやすくなるため、「ストレートやロックでは飲めない」という方におすすめだ。
水割り
水割りは、ラム酒の旨味はそのままで、アルコール感を薄めて飲みやすくしてくれる。お酒が苦手な方でも、安心して飲むことができるだろう。
また、フレッシュライムを加えることで、さらに爽快感が増す。お酒が苦手で飲めない方は、ライムジュースを加えるのもアリ。
お湯割り
ラム酒にお湯を加えることで、体がポカポカと温まるホットラムの完成だ。お湯割りにするとラムの香りが引き立つため、少し薄めに作るくらいが丁度よい。寒い日や寝る前の一杯におすすめ。
紅茶割り
ラム酒に少しアクセントを加えたい方は、紅茶割りを試してみてほしい。紅茶とラム酒の絶妙な香りを楽しむことができる。
また、甘みの入った紅茶で割ればラム酒の香りが引き立ち、さらに飲みやすくなる。女性からの人気が高い飲み方である。
コーヒー割り
ラム酒とコーヒーを合わせるコーヒー割りという飲み方もある。コーヒーの芳醇な香りが足され、より複雑な香りを堪能できる。食後のデザート代わりとしてもおすすめだ。
ラムを使ったおすすめカクテル7選
ストレートやロックで、じっくり飲むのもよいが、たまにはカクテルで味を変えてみるのもおすすめだ。ラムベースのカクテルといえば、有名なのはモヒート、ダイキリ、マイタイ、ラムコークなどがある。それぞれのカクテルの作り方や味わいを見てみよう。
清涼感がある夏の定番カクテル「モヒート」
モヒートは近年夏のカクテルとして人気だ。ホワイト・ラムが使われることが多く、清涼感のある見た目をしている。材料はラム、フレッシュミント、フレッシュライム、砂糖またはシロップ、ソーダ水である。
グラスはハイボールなどに使われるような、高さのあるグラスがおすすめだ。ミントを軽く叩き、香りを出し、ライム、砂糖を入れる。そのあと上からクラッシュアイスをかぶせラムを注ぎ、大きく混ぜて最後にソーダ水を入れれば完成だ。
【材料】
- ラム:50ml
- ソーダ:50ml
- フレッシュミント:葉を20枚ほど
- フレッシュライム:適量
- 砂糖:適量
ライムの酸味が爽やかな「ダイキリ」
文豪ヘミングウェイが好んだとされるダイキリは、クリアな色にキリッとしたドライな味わいが特徴的なカクテルだ。キューバのダイキリ鉱山で働く人たちが暑さをしのぐため、現地でたくさん手に入ったラムとライムを混ぜて飲んでいたものが起源とされている。
材料はラム、ライムジュース、砂糖。シェーカーを使い、カクテルグラスに入れるショート・スタイルのカクテルである。ホワイトラムの甘みとライムの酸味が口に広がって、爽やかな味わいがある。材料も少なく、シンプルなカクテルであるがゆえに、配合のわずかな違いやシェークの技量によって味わいが大きく変わるため、作り手の技量と繊細さが感じられる奥深いカクテルだ。
また、クラッシュアイスを入れブレンダーを使えば、シャーベットのようなフローズン・スタイルのダイキリにすることもできる。
【材料】
- ラム:3/4
- ライムジュース:1/4
- 砂糖:1tsp.
リフレッシュにぴったりの「ボストン・クーラー」
レモンの酸味とジンジャーエールの炭酸ですっきり飲めるボストン・クーラーは小休止や気分を変えたいときにおすすめだ。
材料はラム、レモンジュース、砂糖もしくはシロップ、ジンジャーエール。背の高いグラスに大きめの氷を入れ、順に材料を注げば完成だ。
辛口のジンジャーエールを使えばよりさっぱりと仕上がる。ロング・スタイルのカクテルで度数の調整もしやすく、強い酒を飲みたくないときにも安心して飲むことができる。レモンはフレッシュを使うとなおよい。
【材料】
- ラム:45ml
- レモンジュース:15ml
- ジンジャーエール:適量
- 砂糖:1tsp.
甘く、薄紅の色が美しい「バカルディ」
バカルディは淡い赤色が美しい、やや甘めのカクテルである。材料はホワイトラム、ライムジュース、グレナデン・シロップ。グレナデン・シロップはざくろのシロップで、鮮やかな赤色を呈している。シェーカーとカクテルグラスを使用するショート・スタイルのカクテルである。
「バカルディ」はキューバで誕生したラム・メーカーの名前で、同じ名前の銘柄のラムがある。このカクテルはその銘柄の販促のために考案されたカクテルで、かつてレシピをめぐって裁判が行われたことがある。その際、カクテルの「バカルディ」を作るにはバカルディ社のラムを使わなくてはならないという判決が下された。
【材料】
- ホワイト・ラム:45ml
- ライムジュース:15ml
- グレナデン・シロップ:1tsp.
コーラとラムで南国を感じる「ラムコーク」
ラムコークは、ラム酒とコーラを混ぜて作るロング・カクテルだ。氷の入った大きめのグラスにそそいで豪快に飲める。コーラとラムの甘さと炭酸が、夏や南国の気分を盛り上げてくれる。
また、甘さのなかにラムの風味と苦味を感じる。そして、芳醇さと炭酸のシュワシュワがマッチし、最高のひとときを演出してくれる。
このラムコークに、フレッシュライムを絞って入れると、キューバリブレというカクテルになる。気になる方はぜひ両方試してみてほしい。
【材料】
- ラム:30〜45ml
- コーラ:30〜15ml
- レモンスライス:1枚
トロピカルさ溢れる「ピニャ・コラーダ」
ココナッツとパイナップルが使われるピニャ・コラーダはリゾート地で飲んだり、また女性にも好まれる味わいだ。材料はラム、ココナッツミルク、パイナップルジュース。ココナッツミルクが手に入らない場合はココナッツのシロップと牛乳でも代用できる。
ボウル部分が大きく、背の低いグラスがおすすめだ。シェークで作られることが多く、ダイキリと同様にフローズン・スタイルにアレンジすることもできる。
【材料】
- ラム:30ml
- ココナッツミルク:80ml
- パイナップルジュース:45ml
- カットパイナップル:1切れ
デザート感覚で楽しめる「クレオパトラ」
7つ目に紹介するカクテルは、甘みのある「クレオパトラ」だ。ラムをベースに、コーヒーリキュールと生クリームを足したカクテルであり、程よい甘みとなめらかさを味わえる。
アルコール度数は20%と、アルコール感はしっかりと残しつつ、甘くてスッキリとした味わいを楽しめるため、「甘いカクテルが苦手」という方にもおすすめできる。作り方は、ラムとコーヒーリキュールをシェイクし、その上に生クリームを静かに注げば完成だ。
【材料】
- ホワイト・ラム:1/3
- コーヒーリキュール:1/3
- 生クリーム:1/3
さらにカクテルについて詳しく学びたい人は以下の記事も参考にしてほしい。ラムベースの定番カクテルや、デートや告白の際にカクテルを通して自分の思いを伝えられる「カクテル言葉」を紹介している。
特に、定番カクテルは覚えておくとバーでスマートに注文できるはず。レシピも掲載しているので、自宅でカクテルを楽しみたい人にもおすすめだ。
ラム酒のおすすめ銘柄12選
おいしい飲み方を学んだら、人気の銘柄についても押さえておきたいところ。ここでは、編集部が調べたラム酒のおすすめ銘柄を12通り紹介しよう。
- バカルディ スペリオール(ホワイト)
- サントリーラム ホワイト
- マイヤーズラム プラチナホワイト
- キャプテン モルガン スパイスト ラム
- バカルディ ゴールド
- ロン・バルセロ グラン アニェホ
- ロン サカパ 23
- マイヤーズラム オリジナルダーク
- ハバナクラブ 7年
- プランテーション ラム パイナップル
- クラーケン ブラック スパイスド ラム
- ロンリコ151
それぞれの特徴を1つずつ解説する。
ホワイトラム
バカルディ スペリオール(ホワイト)
数あるバカルディの中で、カクテルのベースとして最も使いやすいミキサブルな「バカルディ スペリオール」。1年から1年半ほどアメリカンオーク樽で熟成し、チャコールフィルタリングを経て雑味を取り除くことで、様々なカクテルの甘味と酸味の絶妙なバランスを演出する。
ライトで甘い味わいと、ライムやバナナのようなフルーティーな香りが特徴。ブルーツダイキリ、フルーツモヒートなど、フルーツ系のカクテルと相性抜群だ。
- 液体容量:750ml
- アルコール度数:40%
- 参考価格:1,352円
サントリーラム ホワイト
ラムの原酒を活性炭処理し、色や雑味を取り除いてすっきりとした味わいに仕上げた「サントリーラム ホワイト」。無色透明でミディアムタイプにあたる。クセが少ないためカクテルのベースに用いられることが多く、特にジュースや果物との相性が良い。
- 液体容量:720ml
- アルコール度数:40%
- 参考価格:1,338円
マイヤーズラム プラチナホワイト
「マイヤーズラム」同様、厳選したラム原酒を多年熟成させた「プラチナ ホワイト」。熟成後にチャコールで丹念に濾過することで、マイヤーズの独特な香りと風味はそのままに、スムーズな口当たりと洗練された味わいを生み出している。
フルーツジュース割りやコーラ・トニック割りなど、カクテルベースとして幅広い役割を備えている。甘くフルーティーな香りをより味わうなら、ロックで楽しむのも良い。
- 液体容量:750ml
- アルコール度数:40%
- 参考価格:1,901円
ゴールドラム
キャプテン モルガン スパイスト ラム
17世紀にその名を轟かせた海賊、キャプテン・ヘンリー・モルガンの意気を継ぐ「キャプテン モルガン スパイスト ラム」。1984年に発売され、彼の親しみやすさと伝説を象徴するかの如く、瞬く間に世界中に広まったこのラムは、ラム酒の「新世界」を切り拓いた1瓶であるといっても過言ではない。
雑味のない丸く熟成した味わいの中に、厳選した果物の香りとスパイスをプラス。ほんのり香るバニラの繊細な隠し味がアクセントとなり、唯一無二の存在感を放っている。
- 液体容量:700ml
- アルコール度数:35%
- 参考価格:1,518円
バカルディ ゴールド
1862年、キューバの港町・サンティアゴの蒸留所で、ラムの製造を始めたドン・ファクンド・バカルディ。オーク樽で2~3年ほど熟成したバカルディ・ラムの原酒を、絶妙なバランスでブレンドした「バカルディ ゴールド」は、「バカルディ スペリオール」と比べるとリッチで厚みがあり、バニラやキャラメルの甘い味わいの後に残る辛さが特徴である。
コーラ割りをはじめ、ストレ―トやオンザロック、ホットカクテルとの相性も良い。
- 液体容量:750ml
- アルコール度数:40%
- 参考価格:1,669円
ロン・バルセロ グラン アニェホ
続いて紹介するゴールドラムは、「ロン・バルセロ グラン アニェホ」だ。約6年間じっくりと熟成したラムのブレンドで、一口飲むだけで南国のフルーツやはちみつ系の甘さが口いっぱいに広がる。
後味はスッキリとしているので、さまざまな食材に合わせることができる。まさにドミニカ共和国の風を感じられるような銘柄だ。
- 液体容量:700ml
- アルコール度数:37.5%
- 参考価格:2,773円
ダークラム
ロン サカパ 23
海抜約2,300mの高地で熟成されることから、「天空のラム」と称されるロン サカパ。中でも最もスタンダードなのが、6年から23年間ほど熟成させたラムをバランスよくブレンドした「ロン サカパ 23」である。一般的なラムと比べると濃厚かつまろやかさな甘さを持ち、長時間熟成された証である粘り気が特徴だ。
キャラメル、バニラ、バタースコッチの甘い香りと、シェリーやトーストしたブラジルナッツやヘーゼルナッツ、バナナトフィー、ドライパイナップルの芳醇な香りが混ざり合い、複雑でコクのある味わいを生み出している。
- 液体容量:750ml
- アルコール度数:40%
- 参考価格:4,872円
マイヤーズラム オリジナルダーク
19世紀後半にジャマイカで生まれたマイヤーズラム。200種類以上の原酒の中から厳選した20種をホワイト・オークの大樽に詰め、約4年間熟成して仕上げた本格的なダークラムである。
華やかな風味と芳醇な香りを備えることから洋菓子材料との相性がよく、一流洋菓子店でも用いられている。紅茶やアイスクリームのトッピングに少量垂らして、マイヤーズラムの香りと味わいを楽しむのもいいだろう。
- 液体容量:700ml
- アルコール度数:40%
- 参考価格:1,945円
ハバナクラブ 7年
1878年にキューバで誕生し、今もなお世界各国で愛されているラムの老舗ブランド、ハバナクラブ。上質なサトウキビを原材料とし、昔ながらの製法で丁寧に仕上げた「ハバナクラブ 7年」は、ココアやバニラ、西洋杉、キューバンシガー、トロピカルフルーツなどを感じる、豊かで複雑な香りが特徴。味わいは、甘さとスパイスのバランスが絶妙で、深みがありながらも飲みやすい。
また、3年熟成の「ハバナクラブ 3年」と比べると、より長い木樽での熟成によって色味もより褐色づいているのが分かる。ダークラムの香りと味わいを深く感じるために「Sipping」(ストレートで少しずつ口に含む飲み方)が推奨されているが、カンチャやラム・オールドファッションドといったカクテルでもまた違った美味しさを楽しめる。
- 液体容量:700ml
- アルコール度数:40%
- 参考価格:-
プランテーション ラム パイナップル

インド洋に浮かぶレ・ユニオン島で採れた、「世界で最もおいしいパイナップルのひとつ」と称されるクイーン・ビクトリア・パイナップルを原料としたフレーバードラム。果肉と皮の部分に分け、それぞれをラムに8週間以上漬け込んだ後にブレンド。口いっぱいに広がるパイナップルの香りは、他のフレーバードラムと比べても別格だ。
ストレートやロックで飲むと、よりその味わいを楽しめる。カクテルのベースとして用いられることも多い。
- 液体容量:700ml
- アルコール度数:40%
- 参考価格:3,000円
スパイスドラム
クラーケン ブラック スパイスド ラム
カリブ海で蒸留されたラム酒をベースに、数種のスパイスがブレンドされた新感覚のスパイスドラム。海底から突然現れ、複数の触手を操り船を転覆させてしまう伝説の怪物「クラーケン」の名を用いたラムは、クラーケンが吐き出す墨のような黒色が特徴である。
バニラやシナモン、胡椒、クローブなど数種類のスパイスとブレンドすることで、複雑で力強い味わいを楽しめる。ショットまたはコーラ割りで嗜むのがおすすめ。
- 液体容量:750ml
- アルコール度数:47%
- 参考価格:2,828円
アルコール度数の高いラム
ロンリコ151
1860年にプエルトリコで誕生したカリビアン・ラム。ラム酒の基本的な度数は40%程度だが、「ロンリコ151」はなんと75%。一口飲むと、甘い香りとまろやかな口当たりとともに、強烈な力強さを感じる。
レモンやライムを搾って飲むのもいいが、ソーダや清涼飲料水などで割って楽しむのもおすすめ。ラムコークにすれば、より甘くなり飲みやすい。
- 液体容量:700ml
- アルコール度数:75.5%
- 参考価格:2,720円
まとめ
本記事では、ラム酒の基礎知識や飲み方、アレンジレシピを詳しく解説した。
ラム酒はストレートからカクテルまで様々なアレンジができる、飲み方が幅広い酒である。風味こそ甘いが、クセがなくとっつきやすい蒸留酒といえるだろう。
また、ラム酒をより愉しむ際に欠かせないのが酒肴。スモークチーズやジャイアントコーンなどの定番はもちろん、チョコレートやカップアイスなど甘いスイーツと相性がいいのもラムならでは。以下の記事では、ラムに合うおすすめの酒肴を紹介している。全て取り寄せ可能なため、お気に入りを探して味わってみては。
ぜひ本記事で解説した内容を参考にし、ご自身に合った飲み方を見つけてみてほしい。好みの銘柄が見つかっていない方は、おすすめした銘柄から選んでみよう。
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