クラシックな車に必須のパーツ、フェンダーミラー。存在感のあるミラーは持ち主のこだわりや昭和レトロな雰囲気を感じさせてくれる。フェンダーミラーの歴史と取り付けの注意点、メリット・デメリットを紹介する。
昭和レトロな自動車装備「フェンダーミラー」とは

フェンダーミラーとはフロントタイヤの泥よけ(フェンダー)の上部あたりに設置されたミラーのことである。クラシックカーなどのボンネットから出ているミラーを思い浮かべることも多いだろう。カーデザインのアクセントになるフェンダーミラーだが、最近は目にすることが少なくなってきた。
かつてはフェンダーミラーの設置が義務づけられていたが、1983年に撤廃された。代わりに増えたのはドアミラーだ。折りたたむことが可能で、コスト面でもメリットが大きかったため普及が進んだ。
こうしてドアミラーの車が増える中、意外にもタクシーはフェンダーミラーが取り付けられていることが多い。2017年に登場したJPN TAXI(ジャパンタクシー)もフェンダーミラーである。街で見かけたときに確認してみよう。
またSUVなどの車種では助手席側にサイドアンダーミラーという補助的なミラーが取り付けられていることもある。
愛車にフェンダーミラーをつけてドレスアップしたい場合、ドアミラーとフェンダーミラーを交換できるのかを確認する必要がある。まずは乗っている車のメーカーがフェンダーミラーの純正部品を取り扱っているか、ディーラーに相談するのがおすすめだ。
そしてもうひとつ心配なのが車検に通るかどうかだ。車検では、たとえば車幅の関する項目があり、規定の範囲に合わないとチェックが入る。事前に車検を依頼するショップなどに確認をとるのがよいだろう。
古臭いが魅力。フェンダーミラーを取り付けるメリット・デメリット

車のデザインのアクセントになるだけでなく、ミラーを確認するときに視線移動が少なくなる点もフェンダーミラーのメリットである。ドアミラーの場合、車線変更や右左折の際に確認するため横のあたりを向くが、フェンダーミラーは前方にあるため視線移動が少なくて済む。キョロキョロしなくていい、ということだ。
一方、ドアミラーと比較したデメリットとしては、ミラーの位置が遠いのでミラーに映る車などが小さくなってしまう点、横の確認をおこたる可能性がある点が挙げられる。ミラーに映る車やバイクなどが小さいと見逃してしまうことがある。
また、ドアミラーの場合は顔を動かして確認するため横方向も目視するが、フェンダーミラーの場合は前方だけ見ていれば大丈夫だと横方向の目視をやめてしまうリスクもある。これらのデメリットを踏まえて安全運転を心がけることが大切だ。
フェンダーミラーを取り付けるだけで愛車が味のあるクラシックな車に変身する。まずは取り付け前に車検に通るかどうか、ミラーの見え方や安全に走行できるかどうかの確認が必要といえる。ドレスアップパーツとして、また安全確認の補助として、愛車をカスタムしてみてはいかがだろうか。