レコードに興味があれば、いろいろな種類があることは知っているだろう。だが、違いがわからない人も少なくないはずだ。そこでこの記事では、レコードの大きさや重さ、そして素材について詳しく紹介していく。そして、それらの音に対する影響についても解説していこう。
大きさによる違い

レコードの大きさには、7インチ(約17センチ)・10インチ(約25センチ)・12インチ(約30センチ)の3種類がある。表面の溝に音が収録されているため、溝を作る面積が大きければ大きいほど収録時間は長くなるのだ。
収録時間に関するキーワードが、LP・EP・SP。それぞれ英語のLong Play・Extended Play・Standard Playの略なのである。日本語にすると長時間演奏・延長演奏・標準演奏となる。大きさに関係なく、LPは33回転での収録・再生、EPは45回転、SPは78回転だ。ちなみに日本では、1963年にSPの生産は終了している。78回転に対応するプレーヤーも限られているので要注意だ。
大きさは音質と音量にも影響する。レコードがターンテーブルで1回転するところを想像してほしい。外側ほど溝は長く内側ほど短いのがわかるだろう。溝の長さは収録面積を意味する。面積が広いほど記録できる情報量は多くなるため、レコードは内側ほど音質と音量が低下するのだ。
重さによる違い
12インチ盤を例にすると、「通常盤」の重さは130から150グラムが一般的だ。それに対して180グラム以上を「重量盤」や「ヘビー盤」と呼ぶ。
重さの違いは「厚さ」の違いでもある。厚いとレコード盤のゆがみが押さえられ、重みでプレーヤーでの回転が安定するので、音質のブレが少ないなどといわれる。
素材にも違いがある

一般的な黒いビニール盤は、塩化ビニールが主な素材だ。黒いのは素材に加えたカーボンの色だが、黒色なのにも訳がある。材料の再利用への考慮と、傷や埃などが見つけやすいためだという。
これに対して顔料を加えたものがカラーレコード、写真などを印刷した紙を挟んだものはピクチャーレコードである。フォノシートは薄いシート状のレコードだ。近年では、無着色のビニール盤もある。
現物のレコードを持っている人は、ぜひ手にとって見てほしい。改めてどんな種類のレコードかを確かめた上で聴いてみれば、楽しみもまた格別ではないだろうか。