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冬の日本海の旬のひとつにブリがある。脂がのったブリのおいしさは格別で、刺身やブリしゃぶをつつきながら、熱燗やぬる燗と一緒に味わう時間は至福だ。
そんなブリのなかでも王様といわれているのが「氷見の寒ブリ」。富山湾・氷見でとれる冬の名物としてブランド化され、この時期ならではの味覚として楽しみにしている人も少なくない。
氷見の寒ブリの魅力と合わせて、今年の寒ブリ宣言の予想を紹介する。
●富山湾の王者・ブリ

一年を通して新鮮な魚介類がとれる富山湾。氷見の寒ブリがおいしい理由には、富山という土地ならではの理由があるようだ。
▷「天然のいけす」富山湾
本州の中央に位置する富山湾は、日本海側で最大級であり、日本有数の漁場だ。
沿岸から一気に深くなる海底谷が多くあるため、魚が集まるという特徴がある。
また、北に向かって流れる対馬暖流と、その下層には水温が低い日本海固有水があるため、さまざまな魚類が生息しているのだ。
能登半島に囲まれているような地形から、回遊魚が入りやすい環境でもある。富山湾が「天然のいけす」と呼ばれるのは、こうした条件がそろうことで格好の漁場となっているからだ。
▷ブランド「ひみ寒ブリ」
富山湾の北西部に位置する氷見でとれたブリのなかでも、ブランド化されているのが「ひみ寒ブリ」だ。
しかし、氷見でとれたブリすべてが「ひみ寒ブリ」となるわけではない。
ひみ寒ブリとして認められるには、氷見魚ブランド対策協議会が判定した期間において、下記の条件を満たしている必要がある。
- 富山湾の定置網でとれたもの
- 氷見漁港で競られたもの
- 重さが6kg以上
「ひみの寒ブリ」として認められるものが揚がった際に出されるのが「ひみ寒ブリ宣言」で、以降数ヶ月という短い期間でのみ味わえる冬の味覚なのだ。
▷氷見の寒ブリが旨い理由
ブリは出世魚だ。成長過程における名前は全国でさまざまだが、富山では10cmくらいまでの幼魚を「モジャコ」と呼び、約32cmくらいになる夏頃は「つばいそ」や「こづくら」、約40cmになる秋には「ふくらぎ」から「ハマチ」そして「かんど」と呼ぶ。そうしてようやく冬になり、60cm以上のものがブリとなる。
ブリは回遊魚なので、2歳頃までは小規模の回遊をしながら成長していき、3歳の秋頃になると、長距離の回遊と産卵に備えて脂肪を蓄える。脂がのったブリが北から南下していき、富山湾で寒ブリとして捕獲されるのだ。
富山湾では、晩秋から初冬にかけて風雪をともなう強風が吹く。これは「ぶりおこし」と呼ばれるもので、この荒天がブリの南下を妨げ、富山湾にブリが入り込むのだ。
南下してきた寒ブリは氷見漁港のあたりで能登半島にぶつかるため、迂回する。この時に漁師たちが定置網でブリを捕獲することで、脂がのった状態の良い寒ブリが氷見でとれるという。
●古来愛されてきた氷見の寒ブリ

氷見の寒ブリは昔から有名で、そのおいしさから多くの人に重宝されてきた。
▷前田利家が取り寄せた
文禄4年(1595)、加賀藩の初代藩主である前田利家は、京都から金沢城に向けて「氷見でとれたブリを塩漬けにして17本送るように」と歳暮用にブリを送る指示をしている。
また、正保の頃(1640年代)に出された俳書『毛吹草』には、ブリのなかでも越中ブリが一番に列挙されており、当時から氷見でとれたブリが名物だったことがわかる。
富山湾では16世紀頃からブリ漁が始まっていたようで、漁法は現在の定置網の祖といわれている「わら台手網漁」だったようだ。
富山湾では、現在も定置網での漁が行われており、400年以上続く技術や歴史から、定置網の三大発祥地のひとつに数えられている。
▷越中から飛騨そして信州へ運ぶ「ぶり街道」
江戸時代、氷見のブリは塩漬けした上で、「越中ぶり」として飛騨に運ばれた。
越中ブリは飛騨に入ると「飛騨ぶり」と名前を変え、野麦峠を越えて信州に運ばれていた。
この街道のことを「ぶり街道」といい、この近辺にノーベル賞にゆかりのある人物が多いことから、近年は「ノーベル街道」ともいわれている。
飛騨や信州では、寒ブリは年越しや正月の膳には欠かせないもので、越中から運ばれてきた脂ののった貴重な寒ブリを食し、年越しを祝う風習が古くから根付いているのだ。
●2021年の寒ブリ宣言はいつ頃?

「ひみ寒ブリ」は、11月から1月頃までに捕獲されたものに限定される。
ぶりおこしが吹いた後に条件を満たしたものが「ひみ寒ブリ」となるわけだが、寒ブリのシーズンが始まる際には「ひみ寒ブリ宣言」が出される。
過去5年間の寒ブリ宣言は、以下の通りだ。
- 2016年11月25日
- 2017年12月2日
- 2018年12月1日
- 2019年11月20日
- 2020年11月21日
過去5年間を見る限り、今年も予定通りであれば11月20日以降から12月初旬に寒ブリ宣言が出されるはずだ。
脂ののったブリ刺のほか、ブリの塩焼きやブリしゃぶ、ブリ大根。さまざまな料理で味わいたいところだが、富山県には、ブリ肝の旨煮というのもあるらしい。
ちなみに、「ひみ寒ブリ終了宣言」もあり、こちらは例年1月末から2月初旬に出される。まさに、数ヶ月しかない冬の味覚なのだ。
この冬、富山の旬を見かけたら、迷うことなく味わいたい。
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